ゴールデンウイーク 2010 伊予灘クルージング

『今年はどうするの?』
BOYCの上架設備は2月初旬からフル稼働する
5月の連休までに船底の整備を完了しなければならない
例年になく雨の多い今年は上架作業が遅れている
3月末で定年を迎える家内はその後のスケジュールを計画するのに忙しい
『尾道に行きたいわ↑!』

3月にはいると 港ではGWの話題と
『俺の艇の上架は いつ頃?』と 問い合わせが増える
ネットでは既に宇和島パールカップのエントリーが始まっている
我が艇もメンバーの獲得を急ぐ  他に獲られる前に。


5月1日 06:30 
先発した『ドルフィン』=Y21R&C 『エベレスト』=レプトン21を追いかけて
『ひまわり』=Y31S 『She Mile』=FIRST40.7 『だんだん』=X79 『SM』のフリートが出港
関崎で西大分からの同行艇『Miki』=タートル30と合流
豊豫海峡からはフルセールで快適に帆走
豊後水道に各地から宇和島に向かうの白いセールが散らばる
『乗って呑むのはあたりまえ!』と 私と谷川氏
末岡 中浦両氏は艇のコントロールを楽しむ

宇和島湾入り口の赤松漁港


15回目の今年 宇和島パールカップのエントリーは50艇の大フリート
宇和島ヨットクラブのメンバーは停泊地の確保に尽力する
『SM』他5艇の泊地には赤松漁港が割り当てられる
市内からは少し離れるが 目の前にバス停もあり 比較的静かな港内
『今夜は ここで呑むぞ!』とビールを一口 呑み始めた時
『奥に繋留スペースを空けたよ』とウレシイ連絡
さっそく『きさいや広場/道の駅』前に移動
先着した各地のヨットと合流 なじみの仲間と挨拶を交わす
『梧空』(ひびき帆走クラブ/山口県豊浦)BAVARIA38に艇を入れ替えて 初遠征
『ヒーターストーム』(徳山市)もスプリント98で初遠征


街中の銭湯で塩を洗い流し遅いランチタイム
同行した艇の全員で乾杯の生ビールは旨い!
『---ところで 明日 誰か うちの艇に乗ってよ?』
『She Mile』はオーナーのシングルハンド
中華料理を平らげて『SM』に戻り 作戦会議
《オーナーが決めることだから−−−でも乗ってみたいよね〜↑》
正しい意見 私も乗りたい やはり 新型の艇は魅力ですよ
でも 51番目のエントリーをお願いした以上『SM』のDNSは まずいぞ!

ところで 『SM』の遠征に必ず持ち込むもの
『TITI』オーナーからのプレゼント=携帯中国語勉強セット
四人で勉強会は深夜に及んだ
『ひまわり』の後藤君は成績優秀でした


さて 結局『SM』はシングルで参加
トコトコと 上りのレグは良いけれど スピンはキツイ
そこで登場 ソックス付ゼネカー ♪
モタモタと上げたのは良いが ジャイブトラブル=シートの取り回し不良
最後のレグは 吹き出した爽やかな五月の風 上りのレグ
ソックスが 絡まって降りない!!
オートヘルムに舵を任せて スピンハリヤードをリリース
トップリグの巨大なゼネカーは海面に広がり 艇を引きずる
濡れた重いセールをやっと取り込み 息も切れ切れにヘッドセールを引き出すが
今度はスピンハリヤードがファーラーに絡まって出し切れない
フィニッシュラインは近い 小さく展開したライトゼノアでラインに向かう
後続の艇に次々と追い越されてしまう
フィニッシュのホーンが鳴ったときには 膝はガクガク 息はゼーゼー
60歳の還暦レースはやっと終わった。


UPCの魅力
レース運営とコースのマッチング
スタッフのアットホームな対応
緑豊かな宇和海と そこに棲息するヨットマン
自然と人の穏やかな融和が醸し出す魅力
パールネックレスの魔力に再度の参加を決意する
レース後のアンケートに批判の声は無い
しかし あえて言いたい
バースゼロの港に50艇のビッグフリートを収容するマジックの種明かしは
多分 簡単な事ではなかろう
ローカルレースを成功させるマジックはそこにこそ秘匿する
ともあれ たくさんの気持ちを込めての「ありがとう」
宇和海で知り合った海の仲間たちに 再会の「げんきでね!」を送る。

2009優勝艇
『ピーターストーム』
近間オーナーからカップの返還

2010優勝艇
『ユリカゴン』
北九州若松から参加
ブルーのハルがキレイでした

『サテンドール』
森重オーナー

総合3位の実力は
流石です
良かったね
オメデトウ。

楽しんだアフターパーティーのアフター
『ランスロット』のキャビンでさらに続く
マストサポートの右側二人
親子舟『エベレスト』のオーナー
二月に艇を取得 ヨットは初経験
別府湾外のクルージングも初体験
レース初参加(ルールはこれから勉強)
翌日 無事帰港
艇は レプトン21



『アイタ  タ!タ!タ なんじゃコリャ!』
『お〜い!助けて! 痛い!』
と叫ぶ私
あわてて デッキから岸壁に上がる末岡氏
『釣り針が刺さった!食い込んだ!痛い!』
キャビンから専属のナースも飛び出す
捨てられて錆びた釣り針が人差し指に食い込んで出血
《病院で切開して 取って貰わないとネ》 冷静なナース
タクシーは肱川の堤防に沿って遡る
川の両岸には穏やかな春の景色が広がる
指の痛む私の口からは マナーの欠如した釣り人の批判
伊予長浜港から大洲市立病院まで続く

そもそもの原因は別府出航前夜に遡る(末岡説)
前夜 当社の北浜合宿所に 各地のオーナーが集合
打合せを兼ねた勉強会は25時頃まで続いた
これが いけない
6時の集合時間に遅れた私は用意したカセットコンロを忘れる
5月3日 07:30 宇和島出航
17:00 三机入港 夕食の準備中にコンロのガスが切れた
とりあえず ランスロットのコンロで調理
SMのキャビンで慎ましくて楽しい夕食
近くの旅館にお願いして お風呂を頂く
風呂上りの旨いビールを飲みつつキャビン内で勉強会
これも いけない
5月4日06:00 SMキャビンで5人の朝食
五月の爽やかな朝 かすかに霞が残る海面を長浜へ向かう
ランスロットとのコミニュケーションにと渡された無線機
マリンVHFハンディタイプはバッテリー不良で使用できない
インバーターからダイレクトに電源を取って見たが不可
古い このタイプのバッテリーは交換が必要
「長浜に立ち寄るので 先行して松山沖で落ち合う」と連絡
肱川河口を大きく迂回して 沖の一文字防波堤から入港
本船岸壁に係留し上陸 好天気に家族での釣り人が多い
街中のガス器具取扱店でカセットコンロを購入
《コーヒーが飲める 良かったね 》
末岡氏にコンロを託して コンビにで食料の調達し艇にも戻る
荷物をデッキに手渡しして ビットから舫いロープを外そうとした
その時−−−NHKではないが これが其の時−−−
ホッとした その一瞬の不注意? 
これは もっとも いけない!
右手 人差し指にグッと 錆びた釣り針は 食い込む

出来事を悲観してはヨットに乗り続けられない
「こんな事も有るよ」 と気持ちは切り替えなくては
おかげで 素敵な出会いも有った
前出の病院での対応は早く
事前の電話連絡で受付も素早く終え 整形外科で直に診察
切開して摘出 内部洗浄 縫合
作業(手術)に集中するDRの大きく黒い凛とした目線
とっても 素敵なDRでした
あ〜そうですよ! モチ美人です。

釣り人の皆さん
使った釣り針の処理は適切にお願いします
あなたの 大切な人のために!

長浜を出航 ランスロットを追いかける
三津浜漁港の漁船に囲まれた奥まった狭いスペース
17:00先着したランスロットに横抱きし上陸
松山をナビする西山氏は かって松山市内に勤務
早速 伊予鉄電車で市内に向かう
夕食は お勧めの 【大助うどん】で乾杯
路面電車を乗り継いで 道後温泉で塩を落とす
連休の道後温泉 湯船の混雑は正にイモを洗う
温泉前の商店街で 母の日のプレゼントを購入
ここのアーケードも観光客が溢れている
あちこちに 竜馬や好古のポスターが溢れ坊ちゃんが霞んでしまう
ついつい比較してしまう わが別府北浜温泉の近況−−−
戻ったSMのキャビンで缶ビールを飲みながら明日の航路打合せ
今回の目的地 尾道は帰りの航程がハードになる
原因は長浜寄航とその後の時間ロス 連休後半の天候予測
キャビンテーブルで中国語勉強会をしつつ目的地を呉に変更す。


5月5日 子供の日
05:30三津浜出航
興居島に沿って北上由良湾で「御座船」に遭遇
外見は江戸時代の藩主が乗船した帆船様だか
ブリッジ(藩主の船室)の位置が異なる
当時の「御座船」を模した観光船かな?
−−−と 見とれていると ランスロットを見失う
そのまま北上して興居島北東端で進路を北北西に変針
朝早くから漁船で賑わう釣島水道を横断
朝凪の瀬戸内海をのたりのたりと機走
末岡氏の点てたモーニングコーヒーの香りが漂う
睦月島東 芋子瀬戸を北上 中島北東端 沖の孤島北西通過
倉橋島を左舷に 宇品〜松山航路を音戸に向かう
音戸瀬戸手前で 高速艇や貨物船に航路を譲り
09:50安全を確認して狭い瀬戸を通過
海上自衛隊呉基地を見物する
10隻の潜水艦(鉄のくじら)が浮かぶ様は見事
興味津々 基地を見物して海の駅「クレイトンベイホテル」のポンツーン到着
ホテルのロビーで利用許可をお願いしてホテル一階のレストラン『SOGNO』で
ランチバイキング
奥様のテーブルには 平らげたお皿が広がる
「だって 美味しいんだもの!」


今回のクルージングのハイライト
「大和ミュージアム」と「鉄のくじら館」見学
クレイトンベイホテルから徒歩約10分
先ずは 「鉄のくじら館」=入館無料
海上自衛隊潜水艦隊資料館ですね
ノンフィクションのリアルな実物展示に圧倒されます
平和憲法議論は次回にして 一見の価値は確かです
「大和ミュージアム」に展示の大和模型や復元ゼロ戦
引き上げられたゼロ戦のエンジンも面白い
【帰港後 星型多気筒エンジンの動作原理を調べました】



14:00呉 海の駅「クレイトンベイホテル」を出航
江田島西岸を南下
能美島と倉橋島の水路 早瀬瀬戸を通過
安芸灘に出る
進路を南西に変更
屋代島 大畠瀬戸に向かう
薄いガスの海面で後続のランスロットは見えない
《本当は 江田島や厳島をゆっくり回りたい》
西山君の希望は帰路の航程を検討して却下
『そのうちに ゆっくり来ようぜ 陸からね』

大畠瀬戸まで6海里
「SACHII」オーナー 広田氏に大島の泊地情報をお願いする
(1)大島商船の桟橋はゲートが有るので不可
(2)商船近くの浮き桟橋は柵越えが必要
(3)柳井港のフェリー乗り場近くは係留可能
(4)大畠漁港はOK




『大畠漁港に入港したら良いよ 俺の馴染の店に焼酎が有るぞ!』
彼の一言は 日没前の入港を焦るヨットマンには 比類なき動機
ラッキーなのは このクルージングの間 潮汐は小潮で潮流も緩い
瀬戸の通過は ツレ汐が基本
弱いツレ汐で大畠大橋を通過

18:00漁港に入港
水道に面したこの漁港の出入り口は狭く 離合は困難
出船の有無を確認して入港
防波堤の内側に舫いを取る
測深計は2M前後を示す
念のため ロープで測深する
やはり 防波堤の敷石の上は浅い
とりあえず 舫いを取って 上陸
末岡偵察員の報告「隣にがら空きの港があるゾ!」
手早く舫いを解き エンジン始動 
隣の漁港には桟橋が有り しかも空いている
『遊魚船が朝早く接岸するよ』:広田氏
舫いを取り終えた頃 ランスロットのマスト灯が大橋を通過した


《燃料補給をしたいが?》:西山氏
私:「え〜行かないの?」
−−−折角だから 駅近くの店で 彼の焼酎を−−−
末岡氏:「当然でしょ ジョイフルでしょう!」
−−−ジョイフルのネオンは海上からも アカアカと−−−
港から徒歩5分のジョイフルで乾杯
レストランのギャルに近くの風呂を教えて貰うが
60オーバーの皆さん 歩く気力は有りません
私:「上関で燃料補給 渡船桟橋前にスタンドが有る」

三津浜〜音戸〜呉〜大畠 長い一日の〆
ビールを飲みながらの勉強会を25時で打ち切る。

5月6日 05:30大畠出航
進路を西にとり笠佐島周辺の浅瀬を迂回して南下
07:00上関大橋を通過して本土側の漁港に入港
渡船桟橋を避けて 岸壁に係留
桟橋前のスタンドにポリ缶を持ち込み配達をお願いする
早朝の桟橋前に美味しい匂い
出来立てのテンプラを買い込みギャレーで網焼き
こいつは 旨い
モーニングコーヒー+トースト+網焼きテンプラ
旅の楽しみは こんなとこに有る
補給後 ランスロットは再度上関大橋を通過して別府への航路に向かう
折角だからとSMは西に向かい長島西北端 雑石瀬戸を抜け南西へ
祝島東から周防灘に出た
南東の風速はやや強く ピッチングも辛い
キャビン内のカミサンはビニール袋を持つ 青白い顔色になった
2ポン+No3サイズのファーラーでは 苦しく コースを落とす
国東沖のコースを取るが これがやはり裏目に出た
大分空港沖に集まった波で艇は翻弄され 行き足が止まる
タックして沖だし 本船航路で針路変更
美濃崎までの我慢
杵築湾で やっと コーヒーが飲める
見えてきた鶴見山中腹の雲が次第に黒くなる
別府は近い。


四万十の手長エビのテンプラ
四国は美味しい!
白い棒は 包帯を巻いた私の指

ランスロット 西山オーナー
ペラに絡んだ藻の為 三回潜ったとか
ご苦労でした