西山 隆 の回航レポート 別府〜蒲郡

518日別府〜佐伯

 20:00別府出航、慣れているコースと入っても夜間航行は気を使う。汐が良く快調に進行、佐伯風無に朝03:50無事入港した。暫くクウォーターバースで仮眠を取った。

519日佐伯〜足摺〜室戸

 15:07食料などを補給してから佐伯風無を出航した。17:00鶴見大島沖通過、豊後水道の真ん中くらいで素晴らしい夕日を眺めた。22:30沖ノ島沖を通過する。寄港して休みを取りたい気分になるが、海況が穏やかなうちに足摺を越えたほうがいいと判断して眠い眼をこすりながらそのまま艇を進めた。

520日 

03:30足摺沖、対向する本船が多いので気が抜けない。夜の暗闇の中に鋭く灯台の光が走る。足摺を越えたところで進路を一直線に室戸に合わせた。高知湾の遥か沖を走ることになるが、考えられないくらいに穏やかな海況が続いている。朝6:00頃、睡魔が襲ってきた。我慢していたがどうにもたまらない。周りに船舶の姿も無かったのでそのままぐっすり?と眠った。本当に気持ちの良い眠りだった。暫く睡眠をとった後遅い朝食を取る。天候は晴天、雲量も少ない。のっぺりとした太平洋を黒潮にも押されてか、1Knot以上速いペースで航行する。殆ど無風のためにセールを展開できないために機走のみ。周りに何も見えず海の上も何も無い。そんな中で一日中船上で過ごしていても、この穏やかな海上で快適に航海していると退屈しない。13:50室戸をランドフォー。少し微風が出たのでジブのみ展開する。

16:30室戸入港。どこに着けていいか迷ったのだが、魚市場の側にカツオ船が着いていて、その後が丁度空いていたので着けさせてもらった。  

まず燃料を補給しようと上陸して近くを通りかかった小学生の女の子たちに尋ねた。道案内をしてくれてガソリンスタンドまで連れて行ってくれたが、残念ながらそこは既に廃業していた。魚市場まで戻りそこで作業していた人に尋ねると電話でタンクローリーを呼んでくれた。無事燃料補給を済ませると、風呂に入りに大田旅館に向かった。大きな風呂があり2日間の航海の塩を落とすことが出来た。夕食は漁師の人達から初音という割烹の釜飯が美味しいと聞いたのでそこで戴いた。帰り道ひなびた酒屋で土佐の酒を買い込んで艇に戻った。

521日室戸〜那智勝浦

 00:30出漁する漁船の大きな引き波に起された。暫くぼんやりしていたが、那智勝浦までの距離と所要時間を考えると早めに出航したほうがいいと考え02:30室戸を出航した。室戸岬の灯台が光る。海岸寄りは定置網などが怖いので大きく迂回しながら沖出しした。室戸岬を迂回すると潮岬に進路を取った。周りに漁船が操業していたが難なく避けることが出来て、順調に進んだ。途中から良い風が吹いて来たのでジブを揚げて機帆走にする。7knotほどのスピードで快調に進んだ。紀伊水道に入る大型船と交差する海域で少し緊張したがそれほどの接近する場面も無く15:50潮岬沖に到着した。そこから潮が向かい潮に変ったためかスピードが極端に落ちてきた。那智勝浦を南側からアプローチすると大きな定置網にぶつかる。大きく迂回して北のほうから港口を目指した。17:30薄暮が迫る中、那智勝浦に無事入港。名古屋方面のヨットが舫っている後に接岸した。

 ここを訪れたときに必ず夕食をする「大将閣」という中華料理店に入り時間通りに夕食を食べることが出来た。店のおかみさんが覚えてくれていて、近くのホテルが外部からの風呂を受け付けてくれているというので、早速帰りに立寄って疲れを取ることが出来た

522日那智勝浦

 朝から天候が悪くなる予報だったので、一日出航を延期することにした。近くの燃料屋の本店で給油を申し込んで待っていると直ぐにタンクローリーで給油に来てくれた。接岸しているまん前にある酒屋で飲料を買い込んだ。ここはオオバタンという大きなインコがいる。何十年か生きていて並みの人間より長生きしているようだった。少し遠い所に有るコインランドリーまで出向いて洗濯をした。艇に帰ってから、連絡船でホテル浦島に向かった。以前入った山頂の露天風呂は廃止されていたので洞窟風呂と山頂近くに有る風呂にゆっくり入ってのんびりさせてもらった。

 夕食は昨日と同じ「大将閣」おかみさんがモンダイの刺身をサービスしてくれた。

↑連絡船

→大将閣さん
お世話になりました

523

 一日那智勝浦で天候待ち後、04:00出航、鳥羽まで一気に進む。14:30大王崎沖通過。いつもしんどい目に遭う場所だが、今回は潮も順潮で難なく通過した。この頃から風も良くなり機帆走にする。少し波も高くなってきたが、その前夕方17:30、戸田ホテルポンツーンに接舷。先に到着していた大須賀氏、末岡氏と出会った。それから温泉に浸かった後食事に出た。鳥羽市内をぐるぐる廻った後、やっと一軒の店を見つけて食事をした。当然アルコールが入ったので、車を置いてタクシーでホテルまで戻った。このタクシーの運転手が女子ヶ島のような島があるといったのでその情報に大人三人は興味しんしんだった。

524日鳥羽〜ラグーナマリーナ

 比較的早起きすると朝食を食べに出ることになった。ファミレスがいいというので北上したがない。伊勢市まで入ったが何処も空いていない。探し回ってやっとマクドナルドを見つけて朝マックで朝食を済ませた。鳥羽までの帰り道、途中で二見ヶ浦の看板があった野江立寄って観光をした。その帰りにヨットの墓場のような場所があったので立寄ったが、何かわびしい風景だった。

 ホテルに戻って温泉に浸かっている間に大須賀氏らは艇を内側の岸壁まで移動させて最後の航海に不要な荷物を下ろすなどの作業をした。程なくしてオーナーが到着。挨拶を済ませると直ぐに出航した

伊勢湾入り口の「潮騒」の舞台になった島の直ぐ側を通り過ぎた。潮流がきつかったが、なんとか無事通過。本船が錯綜する中で交差するコースを引き間を縫いながら航行する。その間近くで巡視艇が止まってこちらを観察していた。三河湾に入ったところでメインセールを揚げた。エンジンを止めて今回の回航で初めて帆走した。12:00過ぎ、時間が掛かるためにエンジン始動。15:30蒲郡ラグーナマリーナのバースに無事接舷した。

素敵な回航でした
オーナー:福富様の
安全な航海を お祈りします。

 今回の回航は天候に恵まれたため、26ftの艇で外洋を難なく乗り越えることが出来て本当にラッキーだった。