ハウステンボスカップ
ヨットレース\


次第に明るくなってくる東の空



オーバーナイトのワッチが終わります
2002年8月21日19時 別府ヨットハーバーを出航
アビーム NO2で姫島水道にコースを引き機帆走
3GM-30+フェザリングペラのベストマッチングで対地7ノット
オールハンドのワッチで別府湾を抜け出します。
杵築湾沖の定置網群を避けて本船航路まで沖出し 大きく迂回
黒津崎沖から徐々に引き潮の影響を受けて艇速が落ちて姫島水道では
対地4ノット 姫島がなかなかかわせません。
周防灘に出ると進路を修正 関門海峡のアプローチブイに変更します
ワッチオフでデッキ上にはオーナーの吉田氏と私 そして満天の月
コースマスターは吉田氏 チャートとGPSで慎重に最適のコースを引きます。
明るくなってきた東の空と共に本船の紅灯に変わって黒い船体の縦列が
浮かび上がります



門司寄りのコースで走ると新門司港からの出船と次々に交差
朝のラッシュアワーの始まりです
オールハンドでワッチ布刈神社を近くに見ながら関門橋を越えます。



それにしても 橋を超えるときの ワクワクする気持ち
クルージングの楽しみですネ



8月22日6時30分 NHKのラジオ体操を聞きながら予定どうりの
スケジュールです.。転流後30分 戸畑沖で2ノットの順潮
六連島を確認してワッチオフ リズミカルな2500回転のエンジン音を
聞きながら爆睡。快適なバースで目覚めてデッキに上がると海峡で降ろした
ヘッドセールが再び艇をひっぱています



福岡ドームが遠くで光り博多湾沖を通過中



進路方向に白い波頭と灯台が見えます
オーナーの広本氏(WIND KISSは吉田氏との共同オーナー)が手早く
昼飯を準備 ギャレーのフライパンから美味しい匂いが流れてきました



特製?チャーハンをビールで流し込みバウデッキで一服
夏の終わりの青い空と爽やかな南西の風 玄界灘の波音のメロディー



ついつい昼寝です 気持ち良いんですよね〜 わかるでしょ。
気がつくと艇は早くも唐津沖です



右舷遠くに壱岐が霞んでいます
ここ唐津は一番の若手クルー 小才君の故郷
今日の停泊地 呼子は彼のお任せコース
湾口の岩場灯台を右舷にかわして正面に呼子大橋を見ながら入港



左舷の防波堤から湾内に進入 泊地を求めて一番奥の観光船の
発着場まで進入 空いた場所が見つからずにターン
海岸道路に釣具店のカンパンを発見して携帯電話で店主さんにお願いし
店舗前の海面にアンカーリング 本日の航海終了 16時です。
呼子といえば もちろんイカですよ
早速上陸 夕食までの時間を朝市通りを散歩 ついでに夜の穴場スポットを
探します 残念ながら店休日です パチ店は一軒なのですよ
朝市通りの食堂で一休み かき氷で一服
ホテルのレストランで食事をすると館内のお風呂が無料で入浴出来る
この看板で決定 さっそく靴を抜いで オーダー



皆はもちろん呼子のイカ定食
実は私は以前イカを食べに来たことが有るんですヨ ちょっとネ〜
で コストパフォーマンスを考えると・・・
だって スルメイカ 一杯で2500円ですよ!
結局 別メニューの 鯛茶漬け定食と生ビール
正解でした これは美味い!
食事の後は館内のラジウム風呂で一日分の潮と汗を流しゆったり気分で
艇に戻り一休み 明日の行程を確認して 若者の我々はお散歩です
喧騒も消えて落ち着いた港町の宵 このひと時を味わえる贅沢 艇に感謝
呼子は良い寄港地です
港奥の観光船乗り場の近くに管理の行き届いたトイレ
JAの隣のガソリンスタンド 艇まで配達OK
病院に100円ショップ スーパー ほか弁 薬局がモールを形成
壱岐への国道フェリーもここからです。

8月23日8時 出航 
夜明け前から降り出した雨
オーニングとオイルスキンでワッチ
呼子大橋を超えると直ぐに玄海原発の前
保安庁のパトロールが警備中。
平戸へとコースを取ります
雨上がりの重たい空模様 
風はだんだんと南にシフト 天気予報は当たるんですな〜
艇速 対地5ノット
時々 プロッターの表示が止まります
LP1200ロランプロッターにGPS受信機で外部入力 古い機種でも
信頼性は充分 どうやらアンテナケーブルのコネクターの問題らしい
海峡入り口の灯台を左舷にかわして平戸大橋にオンコース



右舷にどことなくエキゾチックな町並みと緑の中に平戸城の天守閣



中国風の寺院とヨーロッパ調のチャペル
実は私 今日のこの日の為にクルーを誘って下見の旅行に来たんです。
もちろんオーバーナイトで 昨年の晩秋にフフフ。
平戸大橋通過11時



転流後1時間 スケジュール通り
吉田氏のナビゲーションは実に正確ですよ
なお 潮汐表は『HIRO』オーナー花本氏にコピーをいただきました。
海峡を越えると予想した通りにほぼ正面からの風
40フィートの艇体がパンチングで震えます
沖出ししての機帆走でタックを繰り返してログを伸ばしていきます
九十九島を通過する頃には波も落ちてやっとオイルスキンから開放
再びラッキーなクルージングモード



オートパイロットで広本氏は昼食作業
メニューですか?これはどうやら極秘とのことで 教えられませんよ
一息ついた頃に艇は佐世保湾入り口です
左舷半島の上に白い灯台を見て狭い湾口を通過



航路ブイに沿って西海橋へと進路を変更
4本マストで濃紺のハル おしゃれなシップが錨箔中



近づいて船名を確認 デッキ上のクルーに手を振って挨拶を交わす
船名は『コレアンナ』隣国からの参加艇でした。


針尾の電波塔 おじさん達はご存知ですよね 旧日本軍の施設で
真珠湾攻撃の電文を送ったとか



その電波塔を交わすと いよいよ針尾瀬戸 西海橋です
問題は 艇がスケジュール通りに走ってしまったと言うことです
瀬戸の転流は17時30分 現在時刻16時
『いける所まで行って見ましょう』と誰かが言ったので 瀬戸にチャレンジ



流れに突っ込むと艇は大きく揺れて船首を振られ対地速度はぐっと落ちます
海面は渦巻いて 水路中ほどの島の周辺は確実に段差が発生しています



ついに 途中の小さな入り江で汐待ちです 
17時 よたよたとヨットが登っていきました
佐世保湾で見かけたYAMAHA30Sです
後を追いかける『ウインドキッス』
橋の直下 対地1ノット じりじりと陸地が動くようです



目の前の大村湾の遠いことでした。
18時 ホストクラブのハウステンボスヨットハーバー入港
指定されたバースは『A』バース
当時の設計図で再建したあの『リーフデ号』の真横です



ポンツーンに舫って オーナーはハーバーオフィスでの手続きに
我々で艇を整理 オーニングで雨をしのぎます
良い航海 良い一日が暮れて 楽しい一夜の始まり
予感はウキウキですヨ。
オフィスのシャワールームですっきりして さっそく街に繰り出します
かって 家族や友人?と何度か訪れたこの街も夜は初めて
ましておじさん4人組とは



カップルやファミリー ギャルグループで溢れる夜のハウステンボス
夕飯はバイキングタイプでお好みをチョイス
小才君と私は もちろんハイネッケンの生ビールを迷わずチョイス
テラスのテーブルで『お疲れさん!』の乾杯 うま〜い。
『リーフデ』を背景に 噴水と光と花火のショウが始まります
個人的にはちょっと物足りませんな
だって 水着のお姉ちゃんを期待してたのに〜〜〜
という訳で 22時30分寝袋に潜り込みます
艇の外は 激しい雷雨 明日の天候を気にしつつ。

8月24日8時起床
起き抜けの『元気ドリンク』で気合を入れる
インスタントコーヒーで予定の打ち合わせ
陸上班との合流 艇長会議 前夜祭 後は自由時間



マリーナは既にフローティングボートショウ
大小 新旧 各種のヨットのオンパレード
ライバルの艇 ライバルでは無い艇の偵察
参加艇は約140艇
ショートコース80艇はクルージング艇が多く
ロングコース60艇はほとんどレーサーやSクラス
かってのお祭りレースから進化 まるでオール九州ヨット選手権
クルージング艇もやる気満々
ハイテクセールにパーマネントバテンで武装
クルーもバリバリ やる気充分
いやいや 見た目で負けてはいけないと自分に言い聞かす
ハーバーの入り口には公式掲示板
既に参加艇一覧とレーティング コース図 天気予報 注意事項が表示



オフィスには抗議受付カウンター
レース運営の勉強になります。
夕刻 陸上班の足立さんと中浦さんが到着



前夜祭とオープニングセレモニー
焼肉 焼きそばetc.とハイネッケン



ステージではオネ−サンのトリオが生演奏
ポップスで盛り上がります。



園内の水面では水上スキーショウ 迫力あるよ



テラスでは昨夜と同じ水と光と花火のショウ
ホテル前のステージではカリビアンのサルサダンスのショウ



宿舎は園外のホテル
レースに備えての休養と充電の一夜。
8月25日8時 朝食後艇に集合
デッキフィッティングと私物をポンツーンに降ろし早めに出航
早朝に到着した共田さんも合流 これでフルメンバー やるぞ!
スタートライン上をリミットマークまで流しラインの確認と測深
スキッパーの広本氏が各ポジションの振り分け
スタート見張りバウ 共田さん
バウ スピンホイスト 吉田氏
バウ クルー 小才君
スピントリマー 中浦さん
メインシート 私
メイントリム足立さん
ランナー 吉田氏
ヘッドトリム 共田 中浦さん。
9時30分 リミットマークでジャストスタート ライトとフルメーン



ポートで飛び出す
バウに立つ共田さんがスタボード艇を監視 スキッパーへ伝える
右海面の風を拾って沖出しする
30フィートクラスを次第に振り切って前に出る
さすがに新型レーサー軍団は早い



上マークを20番手くらいで回航
スピンホイスト 『鳳』をかわすが『ファルコン』に追い越される
『ファルコン』の前を走っていた艇がスピンダウン
エンジンの黒煙が見える 『ON THE ROCK』



ジャイブして中間ブイへ向かう
先行艇の『スプリント』をかわしてフィニッシュラインへ
『鳳』がトップリグのスピンを生かして上から先行
『スプリント』も上でかぶせに来る
Xワントンが下からマークぎりぎりで上ってフィニッシュ
数秒後 『ウインドキッス』にホーンが鳴った。
ポンツーンに舫い 弁当とビールで完走の乾杯!
艇を整理し荷物を車に積み込み 表彰式まで園内散歩
『ホテルヨーロッパ』のロビーで静かにコーヒータイム



16時過ぎ 表彰式
ファーストホーム 『ZIGZAG』



      優勝も ZIGZAG
     
完全な勝利



車に分乗して帰路に就き 20時別府着
楽しかったレースの終わりです
いつもの顔見知りのレースも楽しいけれど
時にはこんなレベルレースも参加することで 何かが開ける気がします
ハウステンボス及びハウステンボスヨットクラブの皆さん
オフィシャルやコミッティーそしてボランティアの皆さん
大変お世話になりました ありがとう御座います
そして最後に『ウインドキッスで参加したら勝てるよ』の一言に
快く乗ってくれたオーナーのお二人に 心から感謝いたします。