みんなの夏祭り HUIS TEN BOSCH CUP YACHT RACE

PART−V

筑前大島

8月25日 05:00 「出港するゾ!」 デッキでの大声で目覚める
サイドバイサイド 一番内側のジャノー37が予告どうりに出港準備
昨日からの吹き込みは その勢力のまま吹き続く
今日の航程は芦屋または 少し頑張れば関門に届くが誰も積極的に出港しない
連日の疲れと 今日の風
とりあえず 様子見。



08:00 止める事の出来ない航海に今日も出航する
きっかけは 室津の30ftが出港したこと
《あの艇が出て行くなら 仕方ない 出港しよう》
二宮君は平戸下船でサポートカーで一日掛けて別府へ出発

平戸水道に出たとたん 汐と逆の波にたたかれる
風向は今日も真上り 岸の不規則な波を避けて沖だし
後続の艇も機走で追いついて来る
パンチングを嫌って ストーム程度のヘッドセールで機帆走 タックを繰り返す
伊万里湾沖 鷹島北でタックし平戸水道を横切り馬渡島南へ
再度タックで向島へ向かうが 沖側は潮流が強くなかなか上れない
機走で直線距離を走る艇は頻繁にパンチングしキールさえ浮き上がる
艇もつらいが 人もつらい
原発前で携帯の着信に気がつく
『エンジン停止 帆走で呼子へ行く』:C/S 西山氏
巻き取ったファーラーでは なかなか上れずに距離が開くが この海況ではサポート
出来ない
Mikiも遅れだす どうやら海草を巻いたようだ
波戸崎を通過するが港の外防波堤直前まで山越えの風と吹き溜まりの波に翻弄される
湾内に入り一息 旋回を繰り返し後続を待つ
待機一時間 Miki入港 先導して呼子漁港に入港
地元烏賊釣漁船に繋留
上陸して船主さんに一夜の繋留をお願いする。

「金丸旅館」は呼子港周回道路に面した地域では比較的大きな旅館
お昼の食事客は屋上の展望風呂入浴がOK
これは お勧めです!

SM繋留場所

旧渡船桟橋 繋留可能

呼子と言えば
自慢のイカ

イカ定食で
この人も満足

19:00 C/Sが入港アプローチするが セーリングでは無理と判断SMで抱き込み入港
疲れ果てた二人は旅館へ急ぐ
小出氏は唐津行きのバスで帰路につく
3GMFの油水分離機は目詰まりを起こし エンジンを停止させていた
タンクの汚れが原因だが 現地で出来る事は少ない
とりあえず分解して掃除をしても 目詰まりは解消しない スペアフィルターも無い
目詰まりたフィルターを加工して流量を増やし組み付ける
エア抜きしてエンジン始動
取り合えず これで走れるはず
22:00 明日朝 目覚めないことを祈って アフトバースに入る
今夜もリギンが絶え間なく泣いている。


8月26日 6:30 
いつもは早い漁港の朝も連日の時化で
漁船のエンジンは眠ったまま
C/Sのオーナーはヘッドセールの交換
Mikiオーナーは昨日入港後ダイブして
ぺラの掃除完了
三艇の出港準備は完了しているが
西山氏の お目覚めを待つ

7:30 出港 倉良瀬戸を通過して関門を
目指す −−−予定ではね。
呼子出港後 艇は又もうねりの中
No3程度で機帆走の沖だし
タックして 玄海島〜相の島方向へレグを引く
うねりを左舷から受けて谷に落ち込み又 浮き上がる ヘッドセールのパワーで艇速は上がる
相の島北から 倉良瀬戸東の地の島側航路ブイへ
変針 本船航路東端を機走
二艇は博多湾を沖だしして筑前大島直近のコース
しかも 大島へ入港してしまった
『燃料補給と食事!』:西山スキッパー
トラブルを抱える仲間を置いては行けない
SMの進路を変更 航路を横切って大島へ入港
ついでにポリ缶で軽油30L補充 別府までOK



港前の食堂で 当日唯一メニューのチャンポンとビール
『時化で出漁出来なくて ネタが無いのヨ』:店の奥さん
後で聞いた漁師さんの話:『この時期 台風でもないのに 3日も漁が出来ないのは 初めて!』
なるほど 納得。

大島上陸の一時間で海は変貌する
艇に戻ると 既に時化模様
風速は上がり フェリー乗り場隣の繋留場所でさえ 艇は揺れまくる
倉良瀬戸の波は打ちあがり 航行するタンカーの船体半分以上が波の中を上下している
合議で出港を中止
フェリー乗り場待合所の観光案内の やさしいお姉さん(こんな時 みんなやさしく見えるんデス)
民宿を紹介して戴く
電話で予約を確認して 島で唯一の温泉施設まで 送迎バスに乗り込む
同時に入港した「カロリーヌ」=パイオニア9 の小嶋さんもご一緒する
露天風呂で雨で冷えた体を温め 和食処の食卓を七名で囲み生ビールで乾杯
同じ環境のヨットマン同士の会話は弾む。

博多沖
進路前方 相の島

西山君は おばちゃんの友達

大島フェリー

カロリーヌ


民宿料金=宿泊+風呂+ビール一本+ツマミのサザエ鉢盛=2000/人
大感謝!!大満足!!。

8月27日 朝一番のフェリーでXは帰路につく
一人旅はやはり寂しいヨ(本音?)
風はさらに吹き募り 波は容赦なく岩礁に打ち上げる
こんな日 当然 出港延期 
【携帯電話が水没したので交換したい】:C/Sオーナー
《私の携帯も 二日前から不調》:Miki御夫婦
善は急げとばかり こういう話は直ぐにまとまる
退屈した五人は次の便で宗像市神湊へ

このフェリー
結構揺れましたよ

神湊港

西鉄バスでJR^

東郷駅〜赤間

帰りのフェリーは客船

赤間のショッピングモールで買出しして島に戻る
一日中の雨
滞在二日目も四人は民宿 
明日の出港を打ち合わせて艇に戻るが なかなか眠りは遠い
仕方なく 持参の文庫本を開きルーフのキャビンライト四本を点灯
読み進むうちに ふと気がつけばリギンの音が止み 雨も上がる
デッキに出て 見渡す暗い海面は静まっている
朝の天候に期待しつつ バースに入る。

8月28日 05:00 出港準備の雰囲気で目覚める
風は又吹き出していた
《この風の中 出て行くのか?》:私
《今が ワンチャンス!》:西山氏

カッパにライジャケとハーネス
ドジャーとオートパイロットの準備
レーダー&GPS C−map スイッチOn

2QM−20 3000rpm 今日も快調
大島フェリー航路で倉良水道を横断 地島西の航路ブイへ進路
水道の波は荒く 急激に二度の連続パンチングで艇の行き足が止まる
右舷は岩礁地帯
フルパワーで左舷に変針して水路中央部へ向かう
中央部 灯台の有る岩場近くの水深に注意して通過 水道をなんとか越える
他の三艇は地島を安全に通過
《怖かった! 振り落とされそう! 良かった!!》
倉良瀬を乗り越え 響灘に出ると水道の時化は嘘の様に静まる
アビーム No3 対地6ノット
波津白瀬 北側通過 白島南 中瀬へST2000をセット
関門海峡の東流に乗って 周防灘に入る
  



16:00姫島入港
「かの屋食堂」に集まった6人
『また 何処かの海でお会いします!』:小嶋氏
Carolineは明日早朝の出港でホームポートまで まだ遠い。
「かの屋」のお姉さんに 《お風呂を借りられる民宿は?》と聞いてみた
『お風呂だけでは 無いでしょうね−−−』と 気の毒そうな返事
今夜は 屋外水道シャワー と あきらめて艇に戻ると
お姉さんとご主人が二台の軽四ワゴンで 『家のシャワーで良かったら』
これは有りがたい【 旅は道連れ 世は情け】人情が身にしみる。
瀬戸内の安心感と宝のシャワーでぐっすりと眠る
それから お姉さん(奥様)はとっても綺麗な方でした!。

8月29日 08:00
姫島出港
国東通過でC/Sは南へ向かう
美嚢崎沖でMikiも西大分へ
多くの人と出会えたHTB
10日間を共にした仲間と艇
2008年8月
大村湾の風は記憶に残る。


筑前大島

姫島「かの屋」


2008 HTBレース 遠征にご協力を感謝します。