冬の回航
別府北浜〜福山市内海

海から見る冬の別府は特別に美しい。
経塚山からの吹き下ろす北風に帆走
引き波のサウンドは 凍てつく頬も緩む
振り返る別府は朝日に輝く。

ジョイラック26フィート
西大分港で眠っていた彼女は再びお化粧をほどこし
新しいオーナーの待つ港に旅立つ
広島県福山市内海 約110海里の旅

2月8日06時別府北浜出航
長い魚網の点滅を避けて別府観光港まで北上
針路を松山に設定 日の出までの凍えるひと時にコーヒータイム
07時 レギュラー+メイン3ポイントリーフ アビーム 対地6ノット
節分寒波も峠を過ぎたとは言え海上はやはり寒い
朝日の最初の刹那がありがたい
久しぶりの凪に漁船の帯が続く
杵築湾を抜け出し伊予灘に入る
左舷に祝島 八島 平郡島が近づくころ 機走に切り替える
風が無い分温かいが 艇速は落ちる 機走5ノット

エンジンはYANMAR YS−8
タフで信頼できる相棒
燃料消費は1.5リットル/時間程度
全行程を機走の場合 平均5ノットで
22時間 18リットルの消費
タンク満タンで20リットル+ポリカン20リットル

冬の回航は予定外だった
3月下旬に広島湾で新オーナーに引渡し そのまま尾道水道経由で内海町へ
憧れの尾道水道 映画の舞台にもなったこの地をヨットから見てみたい!
しかし 「一日でも早く艇を手にしたい」 ヨットオーナーならこの気持ち解るゾ!
と 言うことで尾道はまたの機会に。

右舷前方に伊方原発を認めるころ予報とうりに西の風が強くなってきた
周防灘を越え伊予灘を吹き抜ける西風は重く冷たい
艇速は上がるがオートパイロットは既にフリーズ
長い手引の始まり。

オートパイロット
YAMAHA 1200
非力だが信頼できる
MADE in JAPAN

回航の必須アイテム
GPS チャート 潮汐表

愛用の ライフジャケット ハーネス
シングルハンドでは必ず装着

青島を右舷近くに通過 波はさらに大きく時折ブローチングを繰り返す
15海里先の興居島が次第に暗く日没が近い
日没後の作業を避けて早めにヘッドセールを降ろしサーチライトと
ヘッドランプの用意 入港準備
松山港前の横枕礁をさけて西からのアプローチ
伊予灘を渡り吹き寄せられた波と本船の引き波で激しいローリング
ハーネスを掛けてメインセールダウン こんな時にスライダーは有りがたい

松山港灯台(出航時撮影)

写真左端奥に係留

港奥 保安庁バース
石油処理船に係留
20時 エンジンを停止

上陸 デイリーストア ガスト 徒歩5分

「ガスト」で遅い晩飯 一人ビールで乾杯も何故か楽しい
回航というクルージングは振り返るといつも楽しい
艇に戻り燃料補給 エンジンチェック
キャビン内の整理
搭載品はかなりある
近場の回航でも確実に到着することが肝心
工具一式 配線道具 携帯充電器 ハンドビルジポンプ 双眼鏡 防水シート
携帯ストーブ 寝袋 救急セット 着替え 食料飲料 ホッカイろ
ダイビングセット 等々 品目が増えるのはかっての失敗の裏返し
この手のホールディングぺラは浮遊物を巻き込むと取れにくいので注意。
新オーナーに連絡 明日の到着予定の打ち合わせ
陸上隊に合流の連絡
携帯ラジオを聞きながら コーヒー+ウイスキー。

青旗 松山
丸ピン 通過点

丸ピン 通過点
赤旗 内海

2月9日 6時 起床 寝袋を収納 コーヒーとパンの朝食
来島までの航路を確認

朝の松山港 フェリーラッシュ

「坊ちゃん」の島 松の木も再生

11時 来島航路東ビーコン
南流に乗って 安芸灘を快調に通過 菊間沖で7.5ノット
大下島南で針路変更 伯方島へ
宮の窪瀬戸を抜ける予定を変更
大三島と伯方島間の鼻栗瀬戸に向かう

菊間沖の潮流 対地7.5ノット

来島海峡 南流 8ノット表示

鼻栗瀬戸
左 大三島
右 伯方島

伯方島側 海峡入り口
岩礁あり

早い南流で艇の針路が振れる

ヘッドセールを降ろし機走

針路変更 大三島側橋脚
対地5ノット

橋中央部通過
対地8.5ノット

瀬戸の灯台
対地4ノット
複雑な地形で反流に巻かれる

航路図

鼻栗瀬戸〜
生口島南〜
岩城島南〜
赤穂根島西〜
生名島南〜
佐島北〜
弓削島西〜
因島南東〜
三原瀬戸〜
横島〜田島

チャートスキャン
苦手です

岩城島南端 白い建物が目印
正面 赤穂根島

波津島
南端 伯方瀬戸(写真に写っていない)

左 岩城島
右 赤穂根島
水路は狭いが充分
対地 3ノット

水路に面した岩城村
フェリー乗り場と漁港

左 生名島
右 佐島
中央 弓削島

佐島 本裏
フェリー乗り場あり
寄港困難?

弓削島と佐島間の橋
狭い水路 充分な高さ
通過可能

因島南端
土生港の造船所

島の間を縫って走るのは格別の楽しみがある
地形に影響される 汐と風 狭い水路 行き交う船舶
チャートと測深計は必要
弓削島から三原瀬戸を横切ると目的地 横島まで1時間の行程

三原瀬戸東
百貫島
東側の坊地ノ州付近は浅い

目的地 横島
南西からのアプローチ
アンチクロックで内海に入港

14時30分入港
新オーナーに迎えられて
楽しい回航の終わり

クルージング?
回航こそ 楽しみです。

           冬の回航そのU 内海町レポートはこちら