『ヨット仲間がエンジンの問題で苦労している なんとか ならないか?』
VF−9mオーナー H氏の紹介で 残暑厳しい萩へ走る 
マリーナでオーナーと合流 状況説明を聞く
「2〜3時間の機走でオイルがゲージ半分に減る オイルが漏る」
−−−ということで エンジンベッドやビルジをチェック 
確かに オイルパンやブロック周囲にオイルが付着しているが 申告のような量ではない
クランクシールやオイルパンパッキンを疑い エンジンマウントを外してオイルパンを点検
しかし スペースが狭く工具が使えない 現地でのチェックには限界がある
オーナーと協議の結果 艇を別府に回航してエンジンのオーバーホールと決定

8月2X日 KYACHT回航チームと萩に入る
この件での萩出張は三回目になる
12:30 回航チーム出航
念のため エンジン回転数は2000/rpm以下を指示
対地5ノットで門司を目指す
≪エンジン温度が高い! 回転数をおとす 現在地点 青海島沖 セーリング 対地3ノット≫
油谷湾方面を指示して 陸路先行 川尻岬でセーリングの艇を確認
携帯電波が届きにくい
夜間入港は確定的 宇部市在住のH氏に可能な入港場所を問い合わせる
20:00 航海灯が粟野港岸壁に針路固定 
入港後エンシン点検 熱交換器のコアが部分詰りで冷却効率が低下 出力低下
オイル消耗もかなり有る
盆踊りの粟野を後に食事と食糧補給で長門市内へ
静かで暗い粟野はクルージングの隠れた穴場ですよ

翌朝 出港した回航チームは周防灘を快適にセーリング 姫島経由で別府に到着した。

新北浜ヨットハーバーの上架設備は設計の不備等で
[安全性が確認出来ない]との理由で使用不可
隣接する楠漁港で艇を保管
ユニックでエンジンを吊り上げ工場に持ち込んだ。

シリンダーライナーの点検
計測
ライナー消耗が大きく
ブローバイの原因

ピストン+ピストンリング
カーボンの堆積が多く
スカート部分が磨り減っている

コンロット(クランクピン)メタル
かなり傷がある

シリンダーライナーを抜く
純正部品交換

ライナーを抜きブロックの点検
クランクも点検 若干の傷は有るが
許容範囲

エンジン温度上昇の一因
熱交換器コア(清水タンク)
ほとんど詰まっている
清掃作業

LOパイプの腐食状態
交換

燃料フィードポンプ
純正部品交換

組立完了
陸上試運転
塗装

過去の換装工事で
エンジンベッドとの隙間が
適正でなかった為
ヒール時のエンジンが接触
今回の作業でベッドも再工事

海水ポンプ
分解修理
インペラ交換

ヨットのエンジン 番外編 ヤンマー2QM

早速 シリンダーヘッドを取り外し シリンダー内部を点検

防振ゴムの劣化
右写真の右側
純正タイプと交換

排気マニホールド
分解して清掃
ミキシングエルボ
純正部品交換

クレーン使用
エンジン据付
海上試運転

2QMはタフなエンジンです
純正部品のストックは少なくなっています
「10年は乗りたい」と オーナーの希望です

取り外したシリンダーヘッド
カーボンスラッジの付着が多い
分解してバルブの掃除 摺り合せ
ステムシール交換